クリエイティブを開放する組織に| IMAGICA Lab.社長・志村晶インタビュー
2021年にIMAGICA GROUPの事業再編によりテレビ番組、テレビCMなどのポストプロダクション事業を目的として設立された新生IMAGICA Lab.。 2023年4月に志村晶が社長に就任しました。今回は、ポストプロダクションの未来をテーマにお届けします。テレビだけでなく、さまざまなプラットフォームで映像が配信されるいま、ポストプロダクションに求められている役割とは? 志村社長が描くIMAGICA Lab.の進むべき方向とは?
安全で高品質な映像を提供する
映像制作の最終工程を担うのが、ポストプロダクション(以下、ポスプロ)。グループ会社でいえば、ROBOTやP.I.C.S.といったプロダクション(映像制作)会社が企画・撮影した映像に対して、編集や音響効果を加え、映像のクオリティを高める作業を担うのが 当社です。
これまでのポスプロは、「ハコ売り産業」の面も多分にありました。ここにしかない “高品質の機材がある編集室”と、それを操る“プロフェッショナルの技術”の上に脈々とビジネスモデルが築き上げられてきました。
しかし、いまやスマホでもノートパソコンでも映像編集ができる時代です。ポスプロが提供してきたサービスは、ある程度は誰もができるものになりつつある。
だからこそ、私たちは、安全で高品質の映像サービスを提供する専門集団としての価値をより高めていかなければならない、と考えています。
美しく、見る人に心地よい映像クオリティであるのはもちろんのこと、著作権をはじめ、映像に関わる権利を侵害していないこと、さまざまな媒体に合わせたデータセキュリティも、今後ますます求められていくと考えています。
ハコ売り産業からの脱却が急務
将来的には、ポスプロという言葉はなくなるかもしれません。プロダクションとポストプロダクションの境界が溶け、領域がオーバーラップしていくのではないか、と予想しています。
これからのポスプロは、高額機材や編集室という設備だけに頼らないビジネスモデルに変わっていかなければなりません。
我々もポストプロダクションの領域だけではなく、制作までも含めて、映像コンテンツを提供する企業へと変革しなければならないと考えています。
幸いにも、IMAGICA Lab.には、監督やプロデューサー、クライアントからの信頼を得て、指名で仕事を受けるエディターやミキサーが多数在籍しています。監督やクライアントのイメージを具現化するには、相当のクリエイティビティが必要とされるからこそ、「この人でなければ」という指名が発生するわけです。
クリエイターファーストをめざして
彼らがもっとクリエイティビティを自由に発揮できるようにしていくことが、目下の私のテーマです。彼らが考えていることを実現できる組織の形を模索することで、おのずと新しいビジネスモデルも見えてくるのではないか。まだ明確な答えには辿り着いていませんが、この方向は間違っていないと確信しています。
ひとりひとりがクリエイティブを開放する。
それが画面の向こうにいるお客様の驚きと感動につながり、ひいては企業としての成長にもつながる。そのためには組織の形は柔軟に、有機的に変えていっていいと考えています。
たとえば、IMAGICA Lab.内だけにとどまらず、IMAGICA GROUPを横断するようなチームをいくつも作って映像制作を請け負っていく形も考えられるかもしれません。趣味や嗜好が似ているメンバーが集まり、垣根を取り払ってやりたいことを突き詰めてみる。特色のあるチームがいくつもできて、お客様がニーズにあわせて選ぶことができたなら、相当おもしろいものが生み出されるのではないか、という予感があります。
先行きが見通せない変化の時代だからこそ、これまでのビジネスモデルにとらわれず、できることを探していく。その試行錯誤の先に、新たな成長があると信じています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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本記事は2024年1月に実施したインタビューをもとに掲載しております。