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イマジカインフォス✖️DNP(大日本印刷)「ライトアニメ」が巻き起こすエンタテインメントの新たな潮流#3

イマジカインフォスと大日本印刷が手がける「ライトアニメ」。マンガの原稿そのものを素材として動かすという新しい手法のアニメに注目が集まっています。2024年6月より放送された『まぁるい彼女と残念な彼氏』に続き、第2弾作品となる『未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書』が現在CBCテレビにて放送中(2024年8月時点)です。
急速に成長するライトアニメビジネスについて、AnimationIDプロジェクトメンバーがたっぷり語り尽くします!

※Animation IDはイマジカインフォスとDNPが進める「ライトアニメ®」プロジェクトです。

座談会メンバー(写真左から)
川村 文/株式会社イマジカインフォス IP戦略室 室長
端山徹也/大日本印刷株式会社   出版イノベージョン事業部 
ビジネスクリエイション本部 コンテンツビジネス開発部 
ライトアニメ事業推進課 課長
前田起也/株式会社イマジカインフォス 代表取締役社長
高橋和也/株式会社イマジカインフォス イメージワークス本部長

企画から放映までは1年以内

高橋:『まぁるい彼女と残念な彼氏』のサンプルを作り始めたのが、ちょうど2023年の夏ごろです。約1年で放映にまで至ったわけで、すごいスピード感だったなと思います。

川村:人気のアニメ制作スタジオはもちろん、放送枠も数年先まで埋まっていて、今、アニメ化の企画を出しても、実際に映像化されるのは最速で4年後、5年後ともいわれています。

前田:企画から映像化までの期間については、強く意識しているところです。出版社としては、人気作品の旬を逃さずに映像化したい。中小の出版社がライトアニメに注目してくださっているのは、低コストであることもさることながら、映像投下までのスピード感も大きなポイントだろうと思います。

端山:5年後なんていったら、原作マンガの連載が終了している可能性もありますもんね。企画から映像投下まで1年以内をめざせる。これもライトアニメの強みですね。

大日本印刷株式会社  出版イノベージョン事業部  ビジネスクリエイション本部 コンテンツビジネス開発部  ライトアニメ事業推進課 課長 端山徹也氏

原作を生かすディレクション力が制作の鍵

株式会社イマジカインフォス 代表取締役社長 前田起也

前田:テレビ放送の反響は大きく、すでに弊社のスタジオImageworks Studioにも、たくさんの受注をいただいています。来年は目標本数を20作品としていますが、制作統括の高橋と同じ動きができる人材の確保が目下、至急の課題ですね(笑)。

高橋:ライトアニメ制作に関しては、必要なのは監督とプロデューサーですね。ひと口にライトアニメといっても、作品ごとに映像化の最適解が異なります。スケジュール、内容、予算などをすべてひっくるめて、枠にとらわれずにいちばんいい形を導き出していくことが重要だと思います。

前田:僕も、最初に制作ラインを作ろうというときには、アニメーターさんに来てもらえばいいんだと思っていたんですよ。蓋を開けてみたら、必要なのは作画の才能ではなかったわけだけど、結果として最適な人材を得ることができたというラッキーなパターンで。

株式会社イマジカインフォス イメージワークス本部長 高橋和也

高橋:私自身は、二十数年にわたりIMAGICA GROUP内でさまざまな映像分野の制作に携わってきました。ライトアニメの基本手法である “カットアウトアニメーション”に関しても20年くらい前から手がけており、その間に蓄積されたノウハウや人脈が今回の制作にも生かされています。

前田:彼は、音楽レーベル事業にも携わっていたので、おかげでオープニングやエンディングの音楽の話も、かなりスムーズ。ライトアニメでは、音楽、声優さん、作品を動かす「音」にこだわりを持って作りたい、というのも僕たちのポリシーです。

川村:私、生粋のアニメオタクでもあるのですが、「この作品になぜこの楽曲?」と首をかしげたくなるものも正直ありますよね。Animation IDの作品群では、そういうミスマッチがなく、著者にも原作出版社にも、また視聴者にも楽曲を含めて愛される、というところをめざしていきたいですね。

加速度的に進化を続けて

高橋:ライトアニメの手法自体は、アニメや映像を作っている人であれば、一度は考えたことがあると思うんですよね。でもそれを、まともにこんな形で世の中に出そうという人がいなかった。今後は、このジャンルに参入しようとするプレーヤーは一気に増えるかもしれません。

前田:そういう点でも、差別化のポイントは、技術的な部分だけでなく、ディレクション能力になってくるでしょうね。そして、それはライトアニメという手法を研究してきた私たちに一日の長があるだろう、と思います。

川村:2作目となる『モリアーティー』のエンディングのラフを見たときには、「限られた素材でここまでできるんだ!」と感動しました。

株式会社イマジカインフォス IP戦略室 室長 川村 文

端山:ライトアニメプロジェクトの始動から約3年ですが、最初の試作品から比べると驚くような進化を遂げてきています。今後も、ライトアニメの表現方法自体がますます洗練されていくことは間違いありません。

前田:さらに、テレビ放送がスタートしてから、想定の3倍速くらいで進んでいる感覚があります。この1年で3年分に匹敵するような知見を仕入れている。ゆえにアウトプットもどんどん加速していくので、今後の作品にもぜひ期待していただければと思います!


AnimationIDの第三弾作品として、taskey STUDIOの『監禁区域レベルX』(原作:大石ロミー 絵:江頭大樹 株式会社サーチフィールド Webtoon制作:taskey STUDIO)が、2024年9⽉6日(金)よりCBCテレビで放送決定! ぜひお楽しみに!

最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事は2024年7月に実施したインタビューをもとに掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございます。


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