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過度な演出をそぎ落として、ゲストの築いてきた人生を丁寧にひもとく

テレビ番組や映画、企業プロモーション映像などの企画制作や番組・イベントの撮影収録技術、放送局への技術者派遣、CG映像制作などを手掛けるコスモ・スペース。
日本テレビ『箱根駅伝』の5区と6区の中継映像や、テレビ東京『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 シリーズ』などの番組も制作しています。

同社が企画コンセプトから手掛ける『築き人』(BSテレ東にて毎週木曜日、夜8時45分~)は、各界のプロフェッショナルをゲストに招いて、その人が築いてきた人生、その人にゆかりある建築を紹介する約4分間のトーク番組です。シーズン1が2023年7~12月にかけて放送され、今年の4月からシーズン2が放送中です。

番組をご覧になったことのある方は、とても晴れやかで心地よい気分になったのではないでしょうか。

今回は、この癒やしの秘密を探るため、制作現場にお邪魔してスタッフの皆さんにインタビューを実施しました!コスモ・スペースが、企画からロゴデザイン、撮影、編集まで一貫して手掛けるこの番組は、テレビ番組の制作チームと企業広告の制作チームが共同でタッグを組む、めずらしい体制で作られています。
どんな想いで番組が作られているのか、その裏側を前後編にわたってお届けします。

左から制作プロデューサーの佐藤さん、総合演出を手掛ける髙沢さん、 コンセプトデザイン設計などを担当した原田さん

今回はお話を聞いたのは…
佐藤 眞弥 / コスモ・スペース コンテンツビジネス本部 プロデュースグループ プロデューサー
髙沢 智也
/ コスモ・スペース コンテンツビジネス本部 副本部長  プランナー / ディレクター
原田 侑果
/ コスモ・スペース コンテンツビジネス本部 プロデュースグループ   プランナー / プロデューサー

『築き人』のコンセプトは「人生を築く人」×「建物を築く人」

スポーツ選手や芸術家など異業種のプロフェッショナルの方々をゲストに招いてトークを繰り広げる対談番組。多彩なゲストが築いてきた人生の舞台と、ゲストにゆかりある建築物という2つの視点で構成されています。
「人生」と「建築」にフォーカスしているため、ほかの番組では聞くことができないようなゲストの意外な一面を伺うことができます。

例えば、シーズン2の初回ゲストである戦場カメラマンの渡部陽一さんの放送回では、バラエティでは聞くことができないような、本業である戦中のお写真の公開や、戦場カメラマンになられた経緯をお話されています。
他の回のアーカイブもBSテレ東公式YouTubeで見ることができますので、是非ご覧ください。

戦場カメラマンの渡部陽一さんの放送回
(前編)

(後編)

このコンセプトを設計したのはプランナーであり、プロデューサーの原田侑果さん。

クライアント企業への企画立案や案件の進行管理を行いつつ、デザインの学校にも通いスキルに磨きをかけている。『築き人』の番組ロゴも原田さんが制作した。

原田「”建築をテーマにした異業種の方との対談番組”という大枠のコンセプトは決まっていました。

企画を詰めていくにあたり、建物と同様、人生にも”設計”があり、そしてたくさんの苦労があって育んで、築かれていくものであるなぁと共通点に気付いたんです。

その道を成し遂げたゲストの人生にフォーカスすることで、ほかの番組では語られることのない意外な側面や新しい視点(気づき)をお見せできたらいいなと思いました」

髙沢「ゲストのみなさんはその道を築かれた方だけあって、その人生を築かれている中での面白いお話がほんとうにたくさんありますね。
番組の尺(時間)は1回あたり約4分しかないので、削ってしまうお話もたくさんあります。
そのぶん、ぎゅっと凝縮しているといえるのですが、毎度ゲストの方には申し訳ない気持ちになっていますね」

原田「ありがたいことに、「人生を築く」というコンセプトに共感して、出演を承諾してくださるゲストの方もいらっしゃり、ほんとうに嬉しい限りです」

各ゲストにゆかりのある建築物は、東京駅や日本武道館といった有名な建物が登場することも多く、建築に詳しくなくても楽しんでいただくことができるのも特長です。

過度な演出は必要ない。ゲストのエピソードに嘘がない台本

佐藤「台本は、ゲストの方から事前に取ったアンケートをもとに、打ち合わせで気になるエピソードを深堀りし、ざっくりとつくっています。本番ではMCの田中道子さんが1時間の収録時間の中で、上手に進行してくださり、ときにはアドリブで展開することも。

番組内で過度な演出はせず、ゲストの方の人生とゆかりのある建築物の魅力を感じてもらえるよう丁寧につくっています。どういった苦労で今があるのか、どういう考えでその道を目指したのか。ゲストの方の人生そのものがストーリーになっているのもあり、ゲストの方の本業やバックグラウンドをきちんとお伝えできている番組だと思います」

髙沢あまりテレビに出演されない方もオファーを快諾してくださいますし、みなさんご存知の著名な方も、ほかの番組では語らないお話をしてくださったりしますよね」


ファイナルファンタジーシリーズのイメージイラストを担当し、コアなファンも多いアーティストの天野喜孝さんがゲストの回では、アーティストの第一歩となったきっかけをお話くださいました。
天野さんは、子供の頃から絵を描くことが大好きだったそうで、15歳のときに、日本を代表するアニメーション制作会社タツノコプロダクションに所属されました。そのきっかけは、たまたま幼馴染といっしょにタツノコプロダクションを見学に行こう!という話になったこと。せっかく行くなら…と持参した絵が認められて、採用通知が届いたという驚きのエピソードでした。

アーティスト・天野喜孝さんのゲスト回


サインもいただきました!

また、元AKB48のメンバーで女優の横山由依さんがゲストの放送回では、アイドルを志して京都から東京へレッスンに通っていたころの母娘の絆がうかがえるエピソードが明かされました。

女優・横山由依さんのゲスト回

毎週木曜日、BSテレ東にて放送中の『築き人』ですが、9/27(木)に最終回を迎えるそうです。9/5(木)より4週にわたりトップランナー建築士 伊東豊雄さん・平田晃久さんの創作に迫る特別企画を放送中です。
ぜひ、ご覧ください。


後編では、番組の制作体制にもフォーカス。コスモ・スペースには、テレビ番組制作チームと企業プロモーション映像制作チームがあります。『築き人』は、テレビ番組チームが手掛けていると思いきや、実は企業プロモーション映像チームスタッフとの共同制作だそうです。
それぞれの専門分野を活かし、"良いとこ取り"が詰まった作品となっています。
後編ではそんな融合チームによる、企業プロモーションならではの画作りへのこだわりと、視聴者を置き去りにしない制作への想いについて語ります。
どうぞお楽しみに。

最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事は2024年8月に実施したインタビューをもとに掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございます。


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