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企業プロモーション制作で培った綺麗な画作りと視聴者が求める番組を制作 

BSテレ東で放送中、約4分のトーク番組『築き人』。
この番組は、一級建築士試験に合格した俳優の田中道子さんがMCを務め、異業種のプロフェッショナルをゲストに迎えて、ゲストの築いてきた人生とゆかりのある建築物について語る対談番組です。毎回、多彩なゲストをお招きし、前半・後半の2週に分けてご紹介しています。

この『築き人』の番組と映像と編集を手掛けているのは、IMAGICA GROUPのグループ企業、コスモ・スペース。『築き人』は、企画から撮影、編集作業までを自社スタッフのみで担っています。これはなかなか、めずらしいこと。

前編ではゲストの築いてきた人生と建築物とを掛け合わせたコンセプトデザインや、過度な演出を削ぎ落している点などをご紹介しました。後編ではこの番組の魅力の秘密をもっと深くひもときます!

●前編はこちら

左から制作プロデューサーの佐藤眞弥さん、総合演出を手掛ける髙沢智也さん、コンセプトデザイン設計などを担当したプランナー/プロデューサーの原田侑果さん

今回はお話を聞いたのは…
佐藤 眞弥 / コスモ・スペース コンテンツビジネス本部 プロデュースグループ プロデューサー
髙沢 智也
/ コスモ・スペース コンテンツビジネス本部 副本部長 プランナー / ディレクター
原田 侑果
/ コスモ・スペース コンテンツビジネス本部 プロデュースグループ プランナー / プロデューサー

プロデューサーとディレクターの違いってなんでしょうか?

テレビ制作担当の佐藤さんは「視聴者にとってわかりやすいか、見ていて楽しめるものか」視聴者ファーストで番組制作を手掛けるプロデューサー。

キャリアのスタートは通販番組の制作。テレビ局の番組でアシスタントディレクター、ディレクターを経て、ゴールデン帯や特番の制作に携わる。現在はプロデュース業務として『築き人』をはじめ、BS放送の特番などを手掛けている。

佐藤「番組制作でプロデューサーの役割とは、スタッフのアサイン、キャスティングやロケ地の交渉をはじめ、企画を俯瞰して予算とスケジュールを管理することです。お客様との折衝なども私の方でおこなっています。
ディレクターは、クリエイティブの責任者として、どういう画づくり、雰囲気か、作品の印象を決める人です。役割が違うからこそ、チームの根幹として、連携が必要なポジションになります。その点、さまざまなスタッフを一社でまかなえるコスモ・スペースは連携が取りやすいのでスピード感がちがいますね。

ディレクターもプロデューサーも、大切にしているのは視聴者の目線。わかりやすいものか、見ていて楽しめるものなのか、正しい情報を伝えられているのかには常に気を配っています」

広告(CM)と番組制作では、同じ映像業界でも世界が全く異なる

先述の通り、この番組を制作するコスモ・スペースは、企画から撮影、編集までの「技術と制作」を自社でまかなっています。コスモ・スペースだからこそできた、と話すのは、総合演出の髙沢智也さんです。

以前は、大阪のポストプロダクションでCM、映画などの編集・合成を20年以上経験。現在は多くの企業PRや展示映像等の演出を手掛ける。

髙沢「この『築き人』にコスモ・スペースのディレクターは4人いて、皆、経験してきた出自がバラバラなんです。展示映像をやっている人間もいれば、VRだったり、CMを作っている人間もいる。このお話をいただいたときに思ったのは、スポンサーである総合資格さまの一社提供の番組なので、ある意味広告づくりと同じ仕組みでよいのだなということでした。

あまりイメージがないかもしれないのですが、広告(CM)とテレビ番組は同じ映像業界ですが、全然違う世界なんです。用語一つとっても、テレビの方は撮影する人を「カメラマン」と呼びますが、広告の方では「撮影監督」と呼んだりもする。「音声さん」と「録音部さん」などもそうで、スタッフの呼び方から違うんですよ。

『築き人』では、ふだん広告に携わる原田が企画を作り、テレビ番組一筋の佐藤をプロデューサーに添え、現場を回すディレクターはテレビ制作で育った川久保が担当し、総合演出は広告にゆかりのある僕が入っています。今まで広告・番組制作とバラバラだったスタッフが、一つの番組をつくるのはとてもめずらしいことじゃないでしょうか。撮影から編集までワンストップで出来ることも含めてコスモ・スペースならではだと思うんです」

ドローンで撮影した映像をチェック。右手前がディレクターの川久保さん

原田コスモ・スペースの特長として、「制作」と「技術」、二つの機能を持つチームが社内に共存していることが挙げられます。

映像業界の主な職種としては、「制作」系の仕事と「技術」系の仕事にざっくりと分けることができます。制作系の仕事はおもに、プロデューサーやディレクターなど、映像の企画、演出から制作進行や予算管理など多岐に渡ります。一方、技術系の仕事はおもに、撮影や編集などの現場における職人のような役割。カメラマンや照明、音響、編集、CGなどがこれにあたります。

技術を点とするのであれば、制作はその点と点を繋いで線にするようなイメージをお持ちいただけると良いかもしれません」

一般的に、制作会社と技術会社が一社にまとまっていることはほぼなく、撮影や編集は外注先に任せることが多いそう。

画作りにこだわる広告ならではの感性でゆっくりと魅せる癒しの番組を提供する

スタッフリハーサル(出演者位置等の確認)中の様子をカメラマン(撮影監督)の吉田さんがチェック。

髙沢広告制作で大切にしているのは、綺麗な画作り。『築き人』でも活かされています。カメラマンはもともとIMAGICA Lab.で映画や広告を撮影していた吉田が担当しているので、色にもこだわった深みのある映像になっています。番組中の画やデザイン設計は広告チームで担当しました。

一方、長くテレビ番組に携わるディレクターの川久保がこだわるのは視聴者目線。BSで放送されることの意義や視聴者が求めている番組像を徹底的に追求します。

最初は編集方針も異なり、短尺で全部を見せたい僕と、視聴者を意識しゆったりとした時間軸で繋いでいくことを推した川久保との間で意見も対立しましたが、議論を重ねていくうちに、お互いの主張の裏にあるものを理解でき、方向性も合致していくようになりました」

9/5~4週にわたり放送される回のロケ地での様子。奥行きのある映像美はこだわりぬいた照明機材から伺える。

佐藤「BSテレ東で放送されるので、BS放送をご覧になる視聴者層を意識した番組構成を心がけました。地上波の番組やYouTubeなどと差別化し、音楽やテンポを落ち着かせて、テロップなど画面の情報量も抑えたゆったりとした作りになっているのも特長だと思います。

ロケ場所にもこだわっています。放送の数回ごとに撮影場所を変えており、番組のコンセプトに沿って、著名な建築物を選んでいます。

ビジュアル的な美しさに関しては髙沢さんたちに見てもらいつつ、私など番組制作目線のほうでは「控室がちゃんと用意できるか」「トイレがあるか」など実務的な部分を重要視。
候補地は何か所も上がりますが、条件に合う場所は意外と少なかったりもしますね…」

コスモ・スペースで手掛ける案件は、『築き人』をはじめとしたテレビ番組以外にも多岐にわたり、そのスタッフも経歴や専門がさまざまで粒ぞろい。チームワークで企画をブラッシュアップし、技術部とも連携して日々、今できる最高のものを制作しています。

撮影後にオフライン編集※を行う川久保ディレクター。編集もコスモ・スペースでおこなっている。※オフライン編集とは仮編集のこと。撮影後の収録映像は、まず段積み(仮編集前に複数カメラで撮影された映像素材の音と絵を合わせていく作業)を行ってからオフライン編集(仮編集)へと進み、MA(音楽を入れたり雑音等を取り除く)という順番で番組は制作される。

テレビ番組制作と広告映像制作の美味しいとこどりでつくられているということがわかりました。
そんな『築き人』は、今夜9/27(木)に最終回を迎えます。ぜひ、BSテレ東で20:54~お楽しみください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


本記事は2024年8月に実施したインタビューをもとに掲載しております。最新情報とは一部異なる可能性もございます。


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