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高い視座を持って、変化の時代に新たな一歩を|IMAGICA GROUP 代表取締役・長瀬俊二郎インタビュー【後編】

株式会社IMAGICA GROUPは、長瀬俊二郎が2024年4月1日付けで代表取締役社長に就任しました。
長瀬が大切にしている経営哲学とは? ともに働く社員に求めたいこととは? 静かな語り口に込められた熱い思いをお届けします。


大きな魚は池には棲めない

株式会社IMAGICA GROUP代表取締役社長 長瀬俊二郎(ながせ・しゅんじろう)
1978年生まれ。上智大学経済学部卒業後、2001年にフューチャーシステムコンサルティングを経て、05年にハウスキーパーの派遣会社を設立。12年にイマジカ・ロボットホールディングス(現 IMAGICA GROUP)に入社。MIT Sloan Schoolへの留学、SDI Media, Pixelogic Media Partnersへの海外出向を経て、22年4月よりロボット代表取締役社長、イマジカ・ライヴ代表取締役社長に就任。24年4月より現職。

私の仕事観を形成したものが何だったのかを振り返ってみると、原点となっているのは自身で起業したときの経験です。
IT企業でのシステムエンジニアを経て、個人宅への家事代行サービスの派遣業を立ち上げたのが2005年のこと。市場はまだ小さかったものの共働き家庭や外資系金融を中心とした可処分所得の高い個人の市場でニーズが広がっているタイミングで、成長性の高い事業だと感じていました。ところが、2008年に起きたリーマンショックをきっかけに富裕層向けの市場が大きく縮小、BtoBのビジネスにいるとあまり感じませんが、「需要が蒸発」するように消えるという体験をするなかで、元々狙っていた市場の規模が絶対的に小さいことを痛感しました。たしか最大手の同業他社でさえ30億程度の売上しかなったはずです。このとき、親しくしていたお客様から言われた「マグロは池には棲めない」という言葉が、今も心に残っています。ビジネスの大きさは、市場の大きさ以上にはならない。大きな魚になりたいと思うなら、広い海で泳ぎ回らなければならない

市場や業界の大きさによって、企業の成長性にも上限があるのは間違いないでしょう。市場が小さければ、その市場規模以上の成長は難しいものです。
ただ、「大きな魚は池には棲めない」、といっても「市場規模の大きな領域を選べ」という単純なものでありません。

仕事をするときに、どれだけ高い視座を持てるか
どこを目指すかによって、仕事のやり方も成果も変わってくる。

勇気を持ち、困難を覚悟で踏み出してみれば、まったく違う世界が広がっていた。仕事とは、こういうことの連続ではないか、と考えています。

高い視座でビジネスを成長させる

池のなかにいれば、安全で心地よいかもしれません。しかし、その心地よさの一方で、徐々に水が淀んでいることに気づけない恐れもあります。

私がいちばん危惧しているのは、現状維持を目標としてしまうことです。
発注側と受注側での関係性が緊密に築かれるほどに、関係値が固定化し、ともすると緊張感がなくなってしまう。新しい発想やチャレンジが生まれにくくなり、時代のニーズにも合わなくなっていく。
現状維持でよいとすれば、企業やビジネスは必ず劣化していくものです。

ルイス・キャロルが描いた『鏡の国のアリス』のなかに、赤の女王が口にするこんな印象的なフレーズがあります。
その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない
変化していく環境のなかでは、その場にとどまるだけでも走り続ける必要があります。ましてや、より一層のステップアップをしたいなら、自分たちの限界を越えるような努力が必要であることを肝に銘じています。

思考停止せず、道を拓いて

ビジネスを成長させたいなら、リスクをとって挑戦することが不可欠です。
従来の事業の枠にとらわれず、高い視座を持って必要なもの、求められているものを考え、生み出していく組織へ。その選択と集中は、経営者として責任を持って行なっていくべきことだと考えています。

同様に、ともに仕事をする仲間には、「自分の道は自分で作る」という気概を持ってほしい、と思っています。
たとえば、「映像プロデュースのスキルを高めたい、海外研修で学びたい」、こうした希望を持つ人がいたとき、社内に海外留学の制度があれば応募をする人はたくさんいるでしょう。しかし、制度がなかったら? 社員でいるうちはできない、この会社では無理だと諦める人が大半でしょう。

私は、これは非常にもったいないことだと感じています。「制度がないから」「前例がないから」と思考停止してしまっては、可能性が芽吹く余地もありません。

「働きながら、スキルアップの留学をしたい」
「育児と仕事を両立させるための支援を相談したい」「新規事業を実現させるために、グループ他社に転籍したい」真剣に仕事に取り組むほどに、「これがあったらいいな」「こうなったらもっと成長できる」と思うことが出てくるのは当然です。そのアイデアが実現すれば、会社全体のメリットとなることもあるでしょう。

道がないなら、切り拓く
グローバルでの仕事が拡大するいま、仕事をする上でのマインドとしても、こうした発想が重要になってくることは間違いありません。



新生IMAGICA GROUPをこれからもよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事は2024年3月に実施したインタビューをもとに掲載しております。


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